長年外せなかった指輪に込められた記憶と再出発│支援の中で見えた一歩

 おはようございます!本日の投稿は株式会社GUILD GROUP(ギルドグループ)が担当します。

 長く身につけている物には、その人の歩んできた時間が自然と重なります。

 普段は意識しないような物でも、そこには思い出や習慣が染み込んでいるものです。

 

 今回ご紹介するのは、60代の知的障害のある男性利用者の方。

 これまで窃盗により10回の服役を経験しており、波のある人生を歩んできました。

 現在は支援を受けながら、落ち着いた生活を送っています。

 

 この方の右手には、20代の頃からずっと付けている指輪がありました。

 長い年月の中で体型や指の状態が変わり、いつしか抜けなくなっていたのです。

 それでも本人にとっては当たり前の存在であり、外そうとする様子は見られませんでした。

 

 ある日、指に腫れや違和感が出てきたことで状況が変わります。

 安全面を考え、医療機関とも相談したうえで、指輪を切断することになりました。

 長年身につけていた物を外すというのは、単なる処置以上の意味を持ちます。

 

 処置のとき、本人は静かに手元を見つめていました。

 「これ、ずっとつけてたんだよな」と小さくつぶやいた一言が印象に残っています。

 その言葉には、これまでの時間が詰まっているように感じられました。

 

 指輪が外れたあとの手は、どこか軽くなったように見えました。

 身体的な負担が減ったこともありますが、それ以上に一つの区切りがついたような空気がありました。

 

 過去の習慣や思い出は、その人らしさの一部。

 一方で、それが変化のきっかけになることもあります。

 支援の中では、それを無理に手放させるのではなく、今の生活に合う形へ整えていくことが大切です。

 

 今回の出来事は、小さな変化かもしれません。

 ただ、その積み重ねがこれからの生活を少しずつ安定させていきます。

 現在も職員と関わりながら、日々のリズムを整えているところです。

 

 大きな変化ではなくても、一つひとつの出来事に意味があります。

 指輪を外したその手で、これからどんな日常を重ねていくのか。

 静かながらも確かな前進が感じられる場面でした。

 

 NPO法人os Forward

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