おはようございます、本日の投稿は株式会社ギルドグループが担当します。
今回お伝えするのは、共有スペースで開いた、ちょっと変わった散髪のお話。
ある入居者様は、床屋に行くことにずっと抵抗を感じていました。
知らない人に髪を触られること、鏡の前で長い時間じっと座ること、会話を求められること。
理由はひとつではなく、いくつもの小さな苦手が重なっている様子。
そのうちに髪は伸び、襟足が首にかかるほどになっていきます。
髪が伸びると、帽子をかぶって人目を避けたくなるもの。
本人も気にしてはいるものの、足が向かないまま時間だけが過ぎていく日々。
そこで提案したのが、スタッフによる散髪。
道具はバリカンとはさみ、それに大きめのケープが一枚。
場所は、使い慣れた共有スペースを選びました。
見慣れた場所であれば、気持ちの負担はぐっと小さくなるもの。
床には新聞紙を広げ、掃除機を手元に置いて準備完了。
切った髪が服に入らないよう、首元にタオルを巻くひと工夫も。
道具は事前に消毒し、刃の動きも確かめておきます。
<Before>


始める前に確かめたのは、どのくらい短くしたいかという希望。
長さの目安を手で示してもらい、バリカンの刃を選んでいきます。
最初は長めの刃から入り、少しずつ短くしていくのが安心な進め方。
一度で短くしすぎると、取り返しがつきません。
途中で何度も手を止め、鏡を渡して確認してもらいながら進めていきました。
襟足と耳まわりを整え、前髪を軽くそろえたところで仕上がり。
作業そのものは、三十分ほど。
鏡をのぞき込んだご本人の顔が、ぱっと明るくなりました。
「すっきりしたー」
そのひと言に、こちらまで思わず笑顔になります。
仕上がりを鏡で見ながら、次はもう少し短くしてみようかという相談も。
写真に残しておけば、次回の目安にもなりそう。
肩や首に落ちた髪を払い、床を掃除して片付けまで一緒に。
<After>


髪を切ることは、見た目が整うだけの出来事ではありません。
さっぱりすると気持ちが前を向きますし、外に出てみようかという気にもなるもの。
通院や面談の場面でも、身だしなみが整っていると緊張がやわらぎます。
もちろん、散髪はご希望のある方だけ。
無理にすすめることはせず、本人が望んだときに動くのが私たちのやり方。
職員の技術は理容師さんにはかないませんが、それでも安心できる場所で切れる意味は大きいところ。
これからも暮らしの小さな困りごとに目を向けながら、日々の支援を続けてまいります。








