おはようございます、本日の投稿は株式会社GUILD GROUP(ギルドグループ)が担当します。
ある日の支援記録として、少し整理が必要な出来事がありました。
対象となったのは、アルコール依存症の支援を行っている男性利用者です。
日常生活は比較的落ち着いて見えていましたが、支援の現場では予期せぬ出来事が起こることもあります。
職員が居室確認を行った際、押し入れの中から女性が出てきました。
男性は街で知り合ったという女性を自室に入れ、職員に気付かれないよう押し入れの中に隠していた状況です。

女性からはアルコールや食料を受け取っていた様子も確認されました。
第三者が居室内に滞在することで、他の利用者や施設全体への影響も懸念される場面でした。

施設では安全確保と生活環境の維持のため、支援の方に関する明確なルールを設けています。
しかし男性はその説明に対し、「ルールは守りたくない。守らなければならないならここを出ていく」という強い姿勢を示しました。
感情的な対立を避けながらも、支援として看過できない場面だったと言えます。
さらに女性の身元について確認を試みましたが、本人は記憶障害を理由に詳細を語らず、情報の裏付けが取れない状態が続きました。
万が一の事故やトラブルを想定すると、曖昧なまま滞在を認めることはできません。
安全面や責任の所在を明確にする必要性が高まりました。
職員間で状況を共有し、慎重に協議を重ねた結果、警察への通報という判断に。
これは処罰を目的としたものではなく、関係者全員の安全を最優先に考えた対応でした。
結果として、男性はその女性と共に施設を離れる選択をしました。
この出来事は、本人の意思を尊重することと、集団生活の中で守るべきルール、その両立の難しさを改めて突き付けるものとなります。

支援は常に順調に進むわけではありません。
依存症支援では特に、衝動的な行動や判断が表面化することもあります。
それでも職員は感情に流されず、事実を整理し、最善と考えられる行動を積み重ねていく姿勢が求められます。
今回の件を通して、施設としての安全管理、ルールの意味、そして支援の限界について再確認する機会となりました。
同時に、支援者自身が迷いや葛藤を抱えながら判断している現実も浮き彫りになります。
今後も利用者一人ひとりの背景に目を向け、安心できる環境づくりを続けていきたいと考えています。








