おはようございます、 本日の投稿は株式会社GUILD CARE(ギルドケア)が担当します。
ある日の午後、スタッフ間で共有されたのは”部屋の片付けを拒否し、トイレに閉じこもってしまった利用者さんがいる”という報告でした。
20代後半の男性。日頃から個性的な趣味、女性を大切にしており、自分らしい装いで過ごすことを好む方です。
過去にはお店を騙してメイドカフェでメイドとして働いていたこともあったのですがそれは後日お話いたします。

これまでも、部屋の整理について声をかけるたびに拒否があり、医療についても関心が薄く、必要な受診を先延ばしにする様子が見られていました。
しかし、その日は少し違っていました。自室の扉を開けた後、そっとトイレにこもってしまったのです。
心配したスタッフがドア越しに声をかけ、時間をかけて丁寧に話しかけることにしました。
ここから、どうしたい?__そう問いかけた一言が、少しだけ空気を変えました。
沈黙が続いた後、ゆっくりと扉が開き、本人の口から「部屋は……片付けようと思う」「病院のことも考える」という言葉が返ってきました。
その言葉を信じて、その日から一緒に小さなステップを積み重ねることに。
まずはゴミ袋の用意から。次に床が少し見えるようにだけ。
焦らず急がず、本人のペースを尊重しながら、スタッフは伴走を続けています。

その後、本人から明日こそはやってみようかなと前向きな声が聞かれるようになりました。
周囲の環境が少し整うだけで、心にもゆとりが生まれていくのかもしれません。
人にはそれぞれの時間の流れがあります。
信頼が築かれるには、急がず、見守る姿勢も大切です。
趣味や過去の経験もすべて、その人らしさの一部。
否定せず、押しつけず、対話から始める支援が、時に大きな前進を生むことを改めて感じた一日でした。