知られざる女子刑務所と依存回復支援の現場を実際に歩いて見えたこと

 おはようございます、本日の投稿は株式会社GUILD GROUP(ギルドグループ)が担当します。

 先日札幌刑務支所を参観する機会に恵まれました。

 女子受刑者が生活するエリアは、想像よりずっと静かで整理整頓が行き届いており、独特の緊張感と生活の息遣いが同居しています。

 刑務所という言葉だけでは伝わらない「日常」がそこにありました。

 規律の中にも人の温度が感じられる空間で、歩くたびに足音が響き、背筋が自然と伸びます。

 

 今回の訪問で特に印象に残ったのは、女子依存回復支援センターに関する説明でした。

 薬物やアルコールなどの依存を抱えて入所した人たちに対し、再犯防止と社会復帰を目的とした専門的支援を行う場です。

 依存は”意思が弱いから”ではなく背景や環境、孤立など複雑な要因が絡み合っています。

 その理解に基づいたプログラム設計がされている点に感心しました。

 

 センターではカウンセリングやグループワーク、心理教育などを通じて自己理解を深める支援が実施されています。

 また、出所後の生活を視野に入れた連携体制も構築されていました。

 外部機関とのパイプがあることで、社会との断絶を最小限に抑えられます。

 継続的なサポートが鍵になる世界で、その仕組みづくりに力が注がれていることを感じました。

 

 施設案内では居室や作業場、面会室などを見学しました。

 整然とした環境が維持されつつも「管理」だけでは語れない工夫も随所にあります。

 例えば作業スペースは集中しやすく、一定の達成感が得られるよう配慮されていました。

 刑務所特有の厳しさと、社会復帰へ向かうための段階的サポート、その両方が成立している様子が印象的です。

 

 中で何が行われているか知らないままだと誤解も偏見も育つかもしれない。

 まさに今回の参観は、その誤解をほぐし、支援の構造を肌で理解する貴重な機会になりました。

 壁や鉄扉の向こう側は別世界のようでいて、社会の延長線上にある場所なのだと強く感じます。

 

 私たちの関わり方次第で、戻れる道の形は変えられるのかもしれません。

 再出発の芽は、刑務所の中にも確かに息づいていました。

 

  NPO法人os Forward

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