おはようございます、 本日の投稿は株式会社GUILD CARE(ギルドケア)が担当します。
窃盗で服役してて今年の9月に出所。そこから彼への支援はスタートしました。
新しい生活を整えるため、私たちは丁寧に支援を重ねてきました。
環境を整え、食料品も十分に揃い、安心して暮らせるはずの部屋を用意。
しかし、突然の警察からの連絡。
万引きで逮捕されたという知らせは、思いのほか胸に重く落ちました。
対象はお弁当ひとつ。
この事実は状況以上に多くの疑問を呼び、支援の根本を揺らす感覚さえ覚えます。
部屋に駆けつけて確認すると、棚には食品がずらりと並んでいました。
缶詰、インスタント麺、レトルトのご飯…どれもすぐ口にできるものです。
飢えによる衝動ではなさそうな状況に、意外性と戸惑いが混ざります。
生きるために必要なものは十分あったのに、なぜ弁当を手に取ってしまったのか。
そこにあるのは、単純な「欲しかった」という感情だけでは説明できない複雑さです。


再出発のプロセスでは、行動の背景に潜む心の揺れを丁寧に見る必要があります。
孤独や緊張、外の世界への不安が、ある日ふと形を変えて現れることがあるからです。
支援の場ではよく「安心して生きていい」という感覚をつかむまでに時間が必要になりますが、その途中で小さな綻びが行動として表に出ることも珍しくありません。

一方で、社会に戻るという行為は想像以上にエネルギーを使うもの。
周囲は支えたい気持ちでいっぱいなのに、本人はどこかでまだ「居場所が定まっていない感覚」を抱えています。
だからこそ、お弁当一個の万引きという行動に、本人自身も説明できない理由が潜んでいる可能性があります。
支援とは、環境を整えるだけで終わりません。
整えた環境を自分のものとして受け取れるまで寄り添い続ける過程そのものです。
今回の出来事を通して、改めて向き合うべき課題が見えました。
再出発は直線ではなく波を描く道のり。
この経験を未来の支援につなげるためにも、問い続けます。「なぜ、この行動が起きたのか」と。







