孤独に揺れた心をつなぎとめた夜、警察からの一本の電話から始まった命の支援記録

 おはようございます、本日の投稿は株式会社GUILD GROUP(ギルドグループ)が担当します。

 警察から「身柄の引受をお願いできないか」と連絡が来たのは、夕方に差し掛かる静かな時間帯でした。

 本人に状況を聞くと、胸の奥が締め付けられるような内容でした。

 母親を亡くしてから強い孤独感に苛まれ、「刑務所に行くか、自分で命を終わらせるか」その二択だけを考え続けていたというのです。

 彼は万引きをしたうえで自ら警察署に出向き、署内で包丁を取り出し「逮捕してください」と伝えたといいます。

 自暴自棄という言葉では収まりきらない、助けを求めるぎりぎりの行動でした。

 

 部屋に伺うとロープが置かれており、それがどれほど切迫した状態だったかを物語ります。

 言葉にならない重さが、静かにのしかかってきました。

 

 引き取り後、本人と向き合って話し合う時間は三時間近くに及びました。

 最初は視線が落ち、声も弱々しく、心の温度が感じられないような雰囲気でしたが、少しずつ胸の内を語ってくれました。

 「入院はしたくない」「死にたくない」「刑務所にも行きたくない」「でもどう生きていいかわからない」。

 その一言一言に、長い時間抱えてきた苦しさがにじんでいました。

 やがて彼は「それでも頑張って生きていきたい」と小さく前を向く意思を示しました。

 これから必要なのは、彼が安心して日常を積み重ねていける環境づくりです。

 医療につなげるべき支援、生活面を支える福祉制度、孤独を軽減する地域とのつながりなど、段階的に整えていく予定です。

 本人の負担にならないペースで、必要な制度へ丁寧に接続していくことで、「生きる」という選択を支える土台を作っていきます。

 

 今回の件は、孤独がどれほど人の心を追い詰めるのかを改めて痛感させられる出来事でした。

 しかし同時に、人と話すこと・誰かに受け止められることが、どれほど大きな救いになるのかも示していました。

 ほんの一瞬でも寄り添うことで、誰かの未来が変わることがあります。

 この日感じた重みを忘れず、これからも一人ひとりに必要な支援を続けていきたいと思います。

 

  NPO法人os Forward

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