住まいを失っても、希望は消えない。次の一歩へとつなぐ“つなぎの居場所”の大切さ

 おはようございます!本日の投稿はソーシャルワーカーズが担当します。

 7月10日。篠路の家から強制退去となったと支援を望む連絡が入りました。

 私たちはすぐに連絡を取り、状況を把握しました。

 理由は家賃の滞納。決して怠慢ではなく、事情が重なって支払いが困難になっていたとのこと。

 本人は、なんとか再出発を図ろうと不動産会社へと相談に向かいましたが、そこで待っていたのは生活保護申請の却下という冷たい現実でした。

 

 「初期費用さえ払えれば入居できるんです」と絞り出すように語ったその言葉は、まさに今の状況の核心。

 手持ち資金のない中、家を借りることは難しく、結果的に行き場を失ってしまいました。

 

 ただ、落ち込んでばかりもいられません。次に申し込んでいるのは新しい物件。

 こちらは条件も合い、審査も順調とのことで、新たな住まいの光が見えてきました。

 そこへ入居できるまでの短い期間、彼女にはシェルターを利用していただくことになりました。

 給料日が来れば、それまでの滞在費はきちんと支払うという約束も交わしており、誠実な姿勢が伝わってきます。

 

 本日午前中、彼女と一緒に荷物の移動を行いました。

 段ボールの数はそれほど多くないものの、生活の痕跡が詰まっており、ひとつひとつが大切な持ち物ばかり。

 物を運ぶだけでなく、思いも丁寧に扱いたいと感じています。

 

 シェルターという一時的な空間ですが、そこはつなぎ以上の役割を持っています。

 安心して眠れる場所がある、それだけで人は前向きになれるのです。

 きっと数日後には新しい生活が始まり、今の不安も思い出話に変わっていくことでしょう。

 

 「またここから頑張ります」と小さな声で語った彼女の表情に、私たちスタッフも背筋が伸びる思いでした。

 誰かがそばにいてくれる、それだけで人生は少しだけやさしくなります。

 

NPO法人os Forward

関連記事一覧

  1. 生活支援
  2. 利用者さんのお誕生日
PAGE TOP