どうしてもお寿司が食べたかった、万引き事案から見えた生活の限界と支援の必要性

 おはようございます、本日の投稿は株式会社GUILD GROUP(ギルドグループ)が担当します。

 「どうしてもお寿司が食べたかった」。

 今回対応したのは、30代の男性に関する万引き事案でした。

 場所はスーパー。

 店内での万引きが発覚し、警察署にて調べを受けることとなり、支援者として身柄の引き取りに向かいました。

 

 調べは店内で行われ、店長からは厳しく注意を受けています。

 今回の件を受けて出入り禁止となり、さらに他店舗でも同じことを繰り返さないよう、強い言葉で釘を刺される場面がありました。

 店舗側の対応は冷静でありながらも、長年の経験からくる切実さがにじんでいたように感じられます。

 

 その後、被害弁済を行い、本人は自室へ戻りました。

 所持金は80円のみという厳しい状況でしたが、来週までに必要な日用品や食料はすでに購入済みであり、本人の認識としては生活そのものは一応成り立つ見込みとのことでした。

 ただし、その“成り立つ”という言葉の裏には、かなり綱渡りの生活があることも想像に難くありません。

 

 実はこの男性、過去にも万引きを繰り返してきた経緯があります。

 衝動的な行動が抑えられず、結果として同じ問題を何度も引き起こしてしまう現実がありました。

 今回も、空腹や嗜好だけが理由ではなく、精神的な不安定さや判断力の低下が重なった結果だと考えられます。

 

 本人は今後、医療機関にかかる予定であることを話していました。

 支援の現場では、本人の反省だけでなく、再発防止につながる環境づくりが重要になります。

 注意や指導を重ねるだけではなく、医療や福祉と連携し、根本的な要因に向き合う必要があると改めて感じさせられました。

 

 万引きという行為そのものは決して許されるものではありません。

 しかし、その背景にある生活困窮や孤立、依存や精神的課題に目を向けなければ、同じ出来事は形を変えて繰り返されます。

 今回の対応を一つの区切りとし、本人が少しずつでも安定した生活へ向かえるよう、引き続き関わっていく予定です。

 一つの出来事の裏にある事情を丁寧に見つめること。それこそが支援の現場で最も大切にされる姿勢なのかもしれません。

 

 NPO法人os Forward

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